大きく窓を開け放し、午後を過ごす。 時折、虫が飛び交い、 束ねた花に留まり、羽を休める。 アケビの蔓は、木に絡まり、 支え、支えられ、寄り添っている。 何でもない事柄が、こんなにも愛おしい。 風は、薫りましたか。 風の声が、聴こえましたか。
昨年のエンレイ草が、小さく咲いた。 四月の草々を、想う。 緑の色は、 強い日差しに負けない光を放つ。 自分の心と向き合った先に、 きっと光は見える。
大きく羽を広げた鳥は、遠い空へと飛んでいく。 後姿があまりに眩しくて、本当は泣きたかった。 多分、泣いていたと思う。 一瞬の出来事が、きらきらと空に舞う。
少し肌寒い山に、満開のツツジを見た。 新緑ににじむ、ピンク色。 差し出された一枝が、 いつかの風景と重なる。 自由に伸びた枝先に、ふわりと優しさが咲く。
ザイフリボクが満開となり、 夢追い人は、旅立っていく。 晴れた日も、雨の日も、 どんな時でも、 どんな時にも。 やがて葉が生い茂り、 花は実となり、 新しい木の姿を見せる。 空の下、土の上、 雨と風、 柔らかな光。 強く、美しい、その姿。
そこに、土がある幸せ。 そこに、植物がいる幸せ。 そこに、居られる幸せ。 人と人が、繋がること。
アトリエのドクダミ草が、動き始めた。 華やかな季節の始まり。 急いで咲いた桜の花と、 咲き忘れた土佐水木。 花束には、ペンペン草を。
誰かが悲しいと、 私も悲しい。 誰かがうれしいと、 私もうれしい。 雨が降ると、 うれしくて、淋しい。
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